こんにちは、ヨルです。
突然ですが、「廃墟」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
薄暗い病院や洋館など、心霊スポット的な不気味なイメージでしょうか。
それとも、打ち捨てられた遊園地やホテルなど、寂しげなイメージでしょうか。
今回ご紹介する展覧会では、こういった従来のマイナス寄りな概念を覆すような、美しいアート作品へと昇華された「廃墟」の姿を見ることができます。
そもそも廃墟って?
廃墟とは、建物やテーマパーク、鉄道、集落などが使用されなくなり、そのまま放置されて荒れ果てているものをいいます。
逆に言えば、現在は別の用途に使われていたり、人の手が入って管理が続けられている場合は、廃墟とは呼べません。
広島の原爆ドームなども廃墟に該当しますが、これは歴史的意味を考慮して、意図的に当時のまま保存されているタイプの廃墟です。こういったものは「遺跡」に近い意味を持ちますね。
ヨーロッパでは古代ギリシャやローマの廃墟(≒遺跡)に価値を見出す動きがありましたが、日本では少し傾向が違い、 『廃墟の歩き方』という本が出たり、軍艦島観光ツアーが企画されたりと、観光スポット的な扱いが主流のようです。
探索したり、その廃墟が使われていた頃の様子を想像して楽しんだり。鉄道好きの人たちの中には、廃線巡りを熱心に行う人もいるそうです。
放置された歳月とともに朽ちて崩壊し、草木に覆われた廃墟の独特の雰囲気に魅力を感じる人が増えているのかもしれませんね。

厳密にいうと、廃墟へ入ることは刑法に触れる行為です。
もし個人で探索したい場合は、無断ではなく、管理者に許可を取るのが確実です。
また探索の際に、廃墟そのものや備品を壊したり、落書きすることも犯罪です。
※当記事は廃墟探索を推奨するものではありませんが、もし興味がある場合は、ねこじまさんの以下の記事をご一読ください。
廃墟はルールとマナーを守って楽しみましょう!
展覧会の見どころは?
TODAYS GALLERY STUDIO.は浅草橋駅から徒歩7分と少し離れていますが、ほとんどまっすぐの道のりなので、迷うことはないでしょう。

雑居ビルの5階なので、外からわからず戸惑うかもしれませんが、入口に写真のような大きな看板があるので、見つけやすいかと思います。

エレベーターを降りるとすぐに会場です。
中はこんな感じで、 壁やパーテーションに様々な廃墟写真が展示されています。 手前左側に受付があり、各アーティストの名刺などが置いてありました。
美しい廃墟の写真がたくさん!
本展では、見ているだけで廃墟のイメージが180度"変わる"、廃墟のもつ"美しさ"に注目。
出典:TODAYS GALLERY STUDIO.公式サイト
タイトルにもある"変わる"とは、今まで持っていたイメージの転換を意味しており、息をのむほど美しい写真や物語を想起させられる作品は男女問わずに楽しんでいただけるはずです。
静寂のなかに眠る美しさを体感いただける写真展です。
この文言からも分かるとおり、従来の暗い廃墟のイメージを覆す美しい写真が所狭しと展示されていました!
光で輝く海の上の廃墟、陽が差し込む蔦まみれの部屋、星をバックに撮られた廃船…いくら見ていても飽きないほどきれいです。
朽ちた遊具や室内の装飾から、「使われていたときはどんな風だったのか」と、その廃墟の物語を想像させるような写真ばかりでした。
美しさの中に、静けさ、寂しさ、儚さ、神聖さなどが感じられて、それらを絶妙に引き出す撮影技術には感服するばかりです。
また、撮影に適した廃墟は数が限られているせいか、別のアーティストで同じ被写体を撮影している作品もありましたが、撮影者によって違った表現になっているのが個性的で面白かったです。
アーティストによっては、展示しきれなかった写真をファイルしてスペースに置いてくれているので、そちらも是非チェックしてみましょう。
特設ブースではドローン撮影した廃墟の映像が放映されているので、廃墟探検に行った気分になれますよ。

この展覧会は写真撮影可能でしたが、あえて本記事に写真は掲載していません。
感動やイメージの変化を損なわないよう、見てのお楽しみということで笑
SNSで人気のアーティスト15組が参加
この展覧会には、SNSで作品を公開している新進気鋭のアーティストが15組、出展しています。
以下はその一覧です。(敬称略)
各アーティストのSNS等は、ギャラリー公式サイトから飛べるようになっています。
どれも廃墟好きには垂涎モノの素晴らしい見応えなので、是非チェックしてみましょう!
グッズや図録も充実
本展覧会の公式ガイドブックや、過去の作品が収録された写真集が販売されていました。
また会場限定で、ポストカードなど一部アーティストのオリジナルグッズも販売されています。
来場の記念に、気に入ったアーティストのグッズを購入するのもいいですね。
まとめ
変わる廃墟展 2020、いかがでしたか?
今まで廃墟に興味がなかった・暗いイメージしかなかったとしても、この写真展を見ればイメージが「変わり」、きっとその魅力に目覚めてしまうと思います。
当記事は浅草橋ギャラリーでの展示を基に書いていますが、6月下旬から名古屋ギャラリーへ巡回することも決まっています。
気になったら、お近くの会場をぜひチェックしてみてくださいね!
変わる廃墟展 2020
※マスクの持参を忘れずに!
東京会場:2020.3.14(土)~2020.4.12(日)
【開館時間】11:00~19:00、毎週月曜休館
【入場料】600円(3歳以下無料)
TODAYS GALLERY STUDIO.へのアクセスはこちら
ギャラリー公式サイトはこちら